ヒッチハイクってご存知ですか。


初めに書きますが、
人間は、ヒッチハイクをしたことがある者と
ヒッチハイクをしたことがない者しか存在しない。




本題。




大阪で忘年会とイベントに行ってきました。


忘年会はですね、
つつがなく終わったんです。
さして書くこともなく。


※追記:
 蒼井優に似てる人とお知り合いになれたということを
 追記しておきます。ウレシス。
 
 
で、次。
ちょうどこの日に
知り合いのDJさんが大阪でイベントをしているので
とろとろと少年と二人で行ってきました。
途中でもさんも合流しましたね。
でお目当てのDJさんの出番が終了したので
どうしようということになったんですが、
爆音の中うたた寝するほどの睡魔に襲われていた僕と少年は、
もさんを残してふたりで帰ることにしたんです。
26時に。
大阪から神戸まで。


当然電車も動いてないわけで、
始発までは三時間強あるので駅で待つわけにもいかない。
でもクラブに居たら寝そうになる。
さすがに寝たら失礼極まるのでとりあえず少年と二人で帰ろうと。
タクシーかなんかで。
あやふやな気分で。


大阪⇔神戸の夜間のタクシー代、
交渉次第ですが、
大体指一本くらいです。
んなもん出せん。ので、
議論の結果、
ヒッチハイクしてみようじゃないかということになりました。


猿岩石。


早速コンビニで買いました。
マジックとルーズリーフの大学ノート一冊。


ほんまに帰れるんやろか的な
なんかこう、背後にひしひしと感じる言い知れぬ不安みたいなのを見て見ぬふりして大学ノートにでかでかと書いた、
『三宮』
の二文字。


冗談で『N.Y.』とか、
『こんなヒッチハイカーは嫌だ』とかも書きましたけど、
最終的には、
『三宮』
で、ぺらっとめくったら下に
『に、帰りたい』という二ページを大胆に使う、
『めくり技』という高尚なスキルを身に付けました。
というのもね、
すげぇ車とまんねぇのよこれが。


もうね。
正直なめてたヒッチハイク
「んなもんそっこー止まって乗っけてくれるっしょー」
みたいなノリだったのよね。
だって大阪の梅田よ。
都心部のしかも人情味溢れる大阪っすよ。


最初の一時間はノリで押し切れるんだけどね、
もうそこからは心が折れるかどうかの戦争。
ちょっとした戦争。
おまけに雨どしゃぶり。


髪をつたって顔に落ちた雨粒が涙みたいに流れて、
「お前、泣いてんのか・・・?」みたいな状況。
まぁ裏を返せばチャンスなんですけどね。
このどしゃぶりの中、
馬鹿二人がずぶ濡れになって親指立ててる。
捨てられてる子犬を見過ごせないっていうあの心理。


そしたらね、もう止まる止まる。
タクシーが。


ヴォケかと。
誰がこんなにドラスティックに行き先指定した大学ノート持って
タクシー止めんねんと。


あとこっちを指さして笑った神戸ナンバーの乗用車に乗ってたバカップルは、
人の迷惑にならないところでタイヤがバーストすればいいと思った。


そんな状況が二時間続きまして。
さすがに脳がイクラみたいになりそうになったそのとき。




神ktkr。




一台のワンボックスがするりと路肩に寄ってきてハザード。
助手席のウインドウが下りて、
運転手のお兄ちゃん、開口一番、
「どこまで行きたいん?」


「神戸っす。三宮っす。つーか西に向かってくれるだけで
いいんです」


てなわけでね。
次のヒッチがしやすいように尼崎の43号線まで乗せてくれました。


これね。
ヒッチハイクを体験した者しかわからんのだろうけどね。
すんげー感動。
映画観て感動とか連れの結婚式で感動とかとは
もう完全に別次元。


道中「嫁さん起きとったらな、泊めてやれんねんけどな。もう寝とうからごめんな」
とかね。
お前ら言えるか。この台詞。
見ず知らずのずぶ濡れの馬鹿二人に。


で、もうそっからは早かった早かった。
運が向いてたね。
ガラスのシャワーだ!ですよ。


43号線で待つこと10分。


信号待ちの軽自動車の運転手さん(おっちゃん)がちらちらとこちらを見るのです。


冷やかしですかお断りですよとか思いながらも
『三宮』『に、帰りたい』を猛プッシュしたら、
助手席のウインドウオープン。
おっちゃん開口一番、
「乗ってくか?」
ですよ。
ズッッッキュウウウウウウウウウウウゥゥゥゥン。
もう抱かれてもいい。
「三宮の手前までな」と言いつつも、
結局ばっちし三宮駅前で送ってくれました。
もう抱かれてもいい(二回目)


そんなこんなでね。
マジックと大学ノートだけで大阪から神戸まで帰ってきました。


三宮の朝マックのホットコーヒーのうめぇことうめぇこと。


ふたりで、
「人間ってあったかいね」
って言いながら三宮から歩いて帰りました。




人間は、ヒッチハイクをしたことがある者と
ヒッチハイクをしたことがない者しか存在しない。




そしてね、ヒッチハイクは一度はしたほうがいいと思った。
で、もしヒッチハイクしてる人を見かけたら、
急ぎの用事がなければ乗せようと思った。


そして何よりヒッチハイクは超絶面白い。
それと同じくらい疲れますけども。