恩師とご飯を食べミクロ。
専門学校時代の先生、浅賀さん(仮名)とご飯を食べに行く。
浅賀さん(仮名)は相変わらずで、
マップピンのような役割で僕の生きる場所の確認をしていった。
僕の中で。
五年前、
自主卒業と称して途中で学校に行かなくなった僕を、
飛び飛びに、時に密着してかまってくれるこの人は、
やっぱりどこかずれている。
学校を辞めて1週間後に唐突に連絡、
豊中のとある事務所に連れて行かれて、
「坊主くんは今から企業に納品するムービーを作りますここで。ひとりで。リミットは三日後です」
と一言残して自分はソファで寝て、
僕はというと、とりあえず並ぶマシンのマウスがすべてキーボードの右側から出ていることに憤慨し、
寝ている浅賀さん(仮名)に一言「僕は左利きです」と言い、
マウスをひとつずつキーボードの左側に置いた。
ムービーができ上がるまでの記憶はない。
人間は嫌な記憶を封印できると気付きました今。
そんな浅賀さん(仮名)とこの日お茶をし、
制作環境が見たいと言うので家に招待し、
その後ご飯を食べに行った。
浅賀さん(仮名)とぐだぐだとご飯を食べている最中に、
お店に入ってきた別のお客さんがぼんやりと呟いた一言に僕の動きは止まる。
「明日ね、大阪で任天堂のキャンペーンがあってね」
もう「キャンペーンがあってね」の「ャンペーンがあ」に食い気味に
「ミクロですか!?ねぇミクロですよね!?」と言ってしまったよははは。
その店では、と言うよりも、
近しい人以外にはゲームのゲの字も出さないようにしてるのに相当うっかりさんだった。
言った後にしまったと思ったね。
もうでも言ってしまったものは仕方ないので、
店中に『この店内にゲーオタがいる』という空気が漂うのを無視して色々と聞いた。
「お詳しいですね」「詳しすぎ(w」「詳しすぎて怖い」「きんもーっ☆」という言葉すべてに、
「チェック済みですから」で返した僕はもうすでに怖い者なしだった。
まとめると、
大阪でのGAMEBOY microのキャンペーン状況は
・梅田ビッグマン前と心斎橋のどこか(失念)で行う。
・試遊機はキャンギャルの首からかかっている。
・プレイした人はmicroと同じ大きさをしたメモ帳が貰える。
とまぁ池袋でのゲリラ体験会と同じでした。
日程は聞いていなかったけど、池袋と同様なら9月4日で終わりだと予想します。
最後にキャンギャルらしきお姉さんが聞いてきた、
「ちなみにどのカラーを買おうと思いますか?」という質問に、
「ファミコンカラー以外に興味はありません」と言い放った僕は、
おっとこまえだった。うん、おっとこまえだった。
無論店内の空気は僕の言葉をとどめに完全に凍りついたけど
後悔は、ない。