黄疸染色媒染剤。

先日打ち合わせに向かう途中に電車の中で見るともなく自分の手を見てみると、
血色が悪い。
それも指などの末端が特におかしな色をしていて、
黄色いような茶色いような色になっている。


嗚呼。
ついに黄疸だな。
先生僕はいつまで生きられますか。
なんて想像してたのもつかの間、
よく見るとどうも違う。


爪の中まで汚れている。
汚れが爪に入ったような状態なのだ。
何か汚いものに触っただろうか、なんて思いながら打ち合わせを済ませ、買い物をし、帰宅して就寝。


そして昨日友達の誕生日を祝うべく繰り出したのだけれど、
飲んでいる途中にふと手を見ると、また汚れている。


どういうことなんだろう。
これはただの汚れなのか病気なのか判断つかないまま帰宅したんだけど、
玄関でスニーカーを脱ぐ際にびっくり。


靴の履き口の部分が真っ黒く汚れている。
そして視線は徐々に上に上がって、
正体判明。


履いているパンツだ。


これの染料が移染してるみたいで、
生産のラインで媒染剤(染めた色が落ちないようにする薬剤)を入れる工程をすっ飛ばした不良品ぽい。
ファック。
このスニーカー、70'sフランス製のスタンスミスですからッ。
ざんねんッ。
しかもゴールデンサイズでだな、デッドストックだと5万はするからッ斬りィィッ。


恐る恐る被害状況を確認すると、

・スタンスミス/France made/ハイレットから変わった直後のモデル(さんまんえんぐらい)
・IL Bisonteの財布(にまんえんぐらい)
・インナーシャツ二枚(にまんえんぐらい)
・トリッカーズのブーツ(ろくまんえんぐらい)


計じゅうさんまんえんぐらい。
あばばばばばばばばってなったから、んふんふ言いながらパンツの販売元に電話し、
対処を申し出る。


パンツの内側に「洗濯の際に色落ちすることがありますので他の衣類とご一緒に洗濯するのはお控え云々」と書かれたタグがついてあったけど洗濯なんてしてない履いてただけで爪まで染まったんだよ黄疸かと思ったよ肝臓!!!!!肝臓!!!!!!!!!!!しかも靴が二足も染まってだなうち一足はもう手に入んなくてだなあったとしてもサイズがあああのね僕の足は甲が高くてねたとえば今回のこの染まったスニーカースタンスミスって言うんだけどそうそううんさっきも言ったよねそうそう兎に角このスタンスミスを履くならばツーサイズぐらい大きめのでないと履けないんだけどねそうなるとゴールデンサイズって呼ばれてる一番需要の多いサイズになるわけでねそしたら数はないし値段も馬鹿ほど高くなってねしかも手に入らなくてあばばばばば


といった感じの”言いたいこと”が頭の中を駆け巡っていたが、もう大人なので冷静に話す。
それを聞いた電話の向こう側の彼は、
「お客様センターの職員がですね、今日休んでいましてですね、明日もう一回電話ください」
みたいなことを言って電話を切ろうとしたので、激昂。


あのな俺は今お客様センターに電話しとんちゃうんかそしたらこの電話はどこにつながっとうねんほんでなんで今日中に話通されへんねん明日?こっちから電話かけ直せ?知らん知らん知らんあばばばばばばばばお前じゃ話しわからんから誰でもええから話通じる人間を連れてこい電話に出せ愚民、


といったことを言いたかったけど気が弱いので普通に切れる。


ことの重大さをわかってくれたようで、
製造元(幸運にも日本の会社だった)に問い合わせて折り返し連絡をもらうことになる。
移染してしまったものの中で値段が思い出せる範囲のものを伝え、
電話を切る。


どう安く見積もっても12万は超えるから全額弁償するのはしぶられるだろうなぁなんて思ってたけど、
しばらくしてかかってきた製造元からの電話で、「全額弁償させてもらいます」とあっさりと言われる。


そして話をしていくうちに、トリッカーズの代理店もしているお店らしく、
トリッカーズは新品でお渡しすることは約束できるとのお墨付きももらうことができた。


ただスニーカーに関してはデッドストックのものなので手配することはできないかもしれないから、
購入金額分を弁償してくれるとのこと。


シャツはインナーの普通の白いシャツでへたってきてたし、
財布もそろそろ換えたいと思ってたので、
結果的に身の回りのもの(スニーカーを除く)が全部新品になるんだったらひょっとしてこれは得なんじゃなかろうか、
なんて思った。


口頭でうろ覚えの値段だったので、正確な購入金額を先方で調べたうえで月曜日にまた連絡する、
ってことで軟着陸。
月曜日に先方がごねたら消費者センターに駆け込まなくてはならないかもしれない。


全額弁償してもらえるなら、もっと値段高くて着潰してる服が染まれば良かったなんて思ったよ。