遭難筋肉駄目スキー。

Bose2004-01-14


兵庫県北部。


大雪警報発令。


豪雪地帯にお住みの方ならさほど珍しくないかもしれませんが、
関西、特に兵庫県に大雪警報が発令されるのは至極まれなのです。


神戸の中心三宮にすら雪が降る中、行ってきました初スノボ。
スノボ?
今の若人はボードって言うんか。「ボード♪ボード♪」か。
もうどっちでもいいよ。


兎に角行ってきたんです。
六甲山人口スキー場。
神戸市内にお住まいの方ならぺろっと日帰りで行けるほどのお手軽スキー場。
なだらかコースが自然の怖さを忘れさせる禁断の果実。
大学のスキーサークルで部長を務める連れ他2名と。
行ってきたんだそこへ。




さすがにサークルの部長だけあって彼のチョイスは素晴らしかった。
初心者向けのなだらかコース、平日のナイターで他のお客も少ない。


ただひとつ、日が悪かった。


到着して必要グッズを全てレンタルし、いざゲレンデに出ると真っ白の銀世界。
というか、
視界ゼロ。
何て言えばいいんだろう。
人死にがでるくらい吹雪?




でももう来てしまったんだ。
スキー場に。
更に僕はスキー道具の全てをレンタルしてる。
今更引き返せない。


そんなわけで営業時間いっぱいまで滑ってきました。
”滑った”というよりも"転がった"という方が正しいかもしれませんが。


もうほんと、最初の二時間くらいはしりもちのみでゲレンデを下りていくようなものだよ。
「ぎゃっ」
「ごっ」
ニット帽が飛ぶ。


でも、人間の適応能力ってのはえらいもんで。
二時間も悪戦苦闘してたら、滑って止まれるようにはなり始めたんだ。
周りを見渡す余裕も出てくる。
同行したメンバーは僕以外にもうひとりスノボ初体験のやつがいる。
僕と似たりよったりの駄目なやつだ。
しりもちをつきながらも上手くなっていく僕は、
2時間経過しても立つことすらままならない彼を尻目に、
会得したばかりの、『板をゲレンデと平行にガリガリしながら進む技』(とにかく僕はそう呼んでた)を披露する。
超初心者技ではあるが、何とも心地よい瞬間。


颯爽とガリガリで滑り降りてリフト。
あぁいいなぁスノボいいなぁ。
少し滑れるようになると楽しいなぁ。
なんて思ってたらリフト停止。


おいおいやめてくれよ。
しらけちゃうじゃないか。
どれ、乗り場でこけちゃってる初心者の顔でも見てやろうかと、
ふと振り返ると前述した一向に立てない彼の姿が。


彼は何とかリフトまでたどり着いたもののどうしていいかわからず、
リフトに乗ろうした瞬間、何故か怖くなってリフトをよけてしまったらしい。


「駄目だよ〜もっとがんばらないと〜」とこの日のために温めていた仮装大賞時の萩本欽一のモノマネで軽く罵っていると、
リフト再始動。
さて次は『つま先の方に重心を置いて回るやつ』(僕はそう呼んでた)を練習するかなんて思いながら乗る僕を、
リフトは降り場まで運ぶ。


いざ降りんとした瞬間に僕の真後ろから「あぁぁあ」という奇声があがる。
振り返ると先程の彼が降り場を見てパニックを起こしたようだ。
やれやれ。
手がかかる。
とりあえず彼がまた降り場でこけた時のために近くで見ておいてやるか、
なんて一瞬でも考えたその隙、
これがいけなかった。


一瞬の暗転。
そう、僕が前のめりに転んだんだ。


視界から消えた僕にびっくりして飛び出てくるリフト監視員のお兄さん。
「と、止めますか!?」と頭の上の方から声がする。
何とか状況を理解した僕は、
「大丈夫!!リフトだけは止めないで!!!お願い!!!」と懇願し、
一刻も早くリフト降り場から離れるために、ほふく前進を敢行。




頭上でくすくすと聞こえる失笑の中に、立つこともままならない彼の笑い声が混じってることを僕の耳は聞き逃さなかった。




僕のとっさの機転で事無きを得た初スノボは、けが人が出ることもなくそういう意味では無事終わりました。
『つま先の方に重心を置いて回るやつ』を会得できなかったのが心残りですけど。


その後下山するときに完全に凍結した超山道をチェーンも履かずノーマルタイヤで完走したリアルマリオカートが待ち受けていたんですけど、
ものすごいスリップしながらもオチっていうか事故もなく帰ってこれたので、割愛。






ちなみに写真は魚市場に仕入れに来たおっちゃんではなく、上下レンタルウェアの筆者坊主であります。
目線の先は女子。
あと実物はもう少しだけマシ、とセルフフォローを追記しておこう。