勝手に売られていた。

うちの自家用車が、父の独断でいつのまにか勝手に売られていて、
代わってプリウス20日過ぎに来るということ知らされる。
ボディカラーを聞くと
「モスグリーンみたいな色」
と言われて色の中で僕の一番嫌いな、緑色になりました。


プリウスはいいんだ。
車好きな人たちはプリウス?どうかしてんじゃねえの?みたいな感じでしょうが、
僕はとても好きです。
すごく未来っぽいし。
手塚治虫さ加減がたまらなくなる。
のだけれど、
しかしなぜボディカラーぐらい息子に相談しないのか。
無難にシルバーでええやん。
無理してバッタ色とか嫌だよ。


嗚呼。
プリウスのオフィシャルサイトで「モスグリーンみたいな色」を見まんた。
バッタぽさはあまり感じられないけど、
なんか超絶ファミリーぽい。
うちの家庭とは本当に縁遠い、家族の温かみのようなものを感じる。
うちの家族が運転すればするほど、
偽りの家族感を周囲にまき散らすのではないかと不安だ。


そもそもうちの父は頭がおかしい。
この度売り払われた車だって二年も乗ってない。
二度ほど父みずからのミスでできたキズが嫌で買い替えたのだ。
その前のアルファロメオは家族の猛反対も聞かず、
勝手に左ハンドルのものを探してきていた。
ちなみにそのアルファロメオは、
運転中に唐突にボンネットから発火し、
実家の前でバケツリレーをしたという伝説を残したまま天に召された。


そんな命を落としかけた父は、アルファロメオ社に対して苦言を呈したのだけれど
まったくもって同社は取りあってくれなかった。
消沈する父に「内容証明を送り付けたらどうか」という助言を与えた結果、
見事200万円くらいを慰謝料か何かの名目でもらったのだけれど、
アドバイザーである僕には当然のごとく、
一銭も入ってこなかった。
何に使ったんだよあの金。