長夜。





19時から打ち合わせで北新地に行く。
本当に北新地は色々な人がいて、
今日は電車の中でヘドウィグみたいな人と隣り合わせて座った。
彼の手がいつ僕のひざの上に伸びてくるかと気が気じゃなかったけど、
そんな事態は起こらなかった。


打ち合わせを済ませ、
今日は飲もうと連れに電話をする。
全てを忘れて飲みたい気分なので、
打ち合わせで貰った資料をすべてゴミ箱に放り込む。
爽快。
何か大事なものがひとつ失われる快感に身震いしながら一路神戸へ。


連れ一名を従えて、
行きたかった店とやらに行くことになった。
閉まりかけてたたばこ屋で道を聞きながら行った来たりしていると、
目的の店が見つかる。
地酒呑処「吟醸
おぉおぉ酒。
軽やかな足取りでのれんの目前まで来たときに看板の電源が落ちた。
ファッキンライト。
おじゃが池で女の幽霊を見た。
どうやら21時30分ラストオーダーらしい。
今21時40分。
ついてない。
29時まで開いてる居酒屋は知ってるんだけど、
そこに行く前に少し良い酒を飲みたい僕たちは、
もう看板になってしまった「吟醸」のまわりをうろうろする。
少し離れたところにひっそりと開いてたこじゃれた居酒屋兼焼き肉屋のような店に入る。
飛び込みで入ったこの店、
あれ、よくあるでしょう、頑固親父のいる店?そんなの。
そういうそれだったわけです。
置いてる日本酒の量がすごく多く、ほとんどがレア、そしてそのコンディションも抜群に良いんだけど、
なんしかマスターがうるさい。
肉を数品頼んだんだけど、もうそれ焼けてるだの、焼き肉食べながらの日本酒は日本酒に失礼だだの、
君たちは今ハラミを食べてるからこの酒を飲みなさいだの、
あげく僕が頼んだエイヒレを、「エイヒレってどの店行っても食べれるだろう?」という理由でキャンセルし、
タケノコの炭火焼きにオーダー変更される。
じゃあメニューに書くな。
こんなマンガみたいな店存在するんだなぁ。
エイヒレ!!
まだネタになるだけ良かったけど、
僕みたいな酔えたらガソリンでもいいよって人はストレス溜まると思う。
2時間ほど飲んで食べてしたけど一向に酔えず、
マスターのマイルールなどで散々萎縮させられて店を後にする。
悲しい。
それから29時まで開いてる居酒屋に移って飲み直し。
すごくいい。
超リラックス。
好きな肴をつつきながら、
焼酎ロック、ロック、ロック、ロック、ロック、何杯飲んだ?
もう最後「焼酎ロック大盛りにしといたよ」みたいなこと言われてさんざん飲んで上機嫌で店を出る。
ふらふらしながらコンビニで大量に酒を買い込み、
連れの家で飲む。
愚にも付かない話をしながら気がつけば朝の6時半。
都合10時間ほど飲んでる。
一升以上飲んだなとか言いあいながら千鳥足で家に帰る。




夏前の濃い緑の匂いを嗅ぎながらおぼつかない足取りで歩く早朝の雰囲気は本当に最高で最悪。
ああもう今だったらダンプにはねられてもいいなみたいなことを考えながらどうにかこうにか自室に戻って倒れるように眠りについた。


打ち合わせの内容が全て脳内から消し去られていて困った。