天野くんのアマゾン。

以前もそうだ。
Amazonで買った商品が異常に早く届く。
以前はTanitaのカラダスキャンという体重計をAmazonで購入したのだが、
注文日の翌日、24時間以内に商品が届いた。
これは確かに、注文から24時間以内に発送可能な商品だった。


先日は文庫本を注文した。
合計三冊の文庫本なのだが、そのうちの一冊は2〜3日以内に発送予定のものも含まれている。
それにもかかわらず注文した翌日に商品が到着した。
ちなみに注文したのは到着日前日の夜中の2時すぎだ。
夜中の注文を受け、翌日の昼過ぎに商品到着。
注文から十数時間で到着したことになる。


注文した商品が早く届くのは嬉しいことなのだが、いささかこれは気持ち悪い。
僕はマンションに住んでいるのだが、前回のカラダスキャンの一件で、
実は階下の峰岸さん宅がAmazonなのではないかと思っていたが、
更に認識を新たにしなければならない。


峰岸さん一家は本を読まない。
それはちり紙回収の日の峰岸さん宅の玄関前を見ると明らかだ。
僕の家の玄関は雑誌や文庫であふれかえり通り抜けるのもままならないのに比べ、
峰岸さん宅の玄関には申し訳程度に新聞が数冊置いてあるくらいなのだから。


よって峰岸さん宅が実はAmazonで、階下から文庫本が届いたというのはどうも現実的じゃない。
僕は思い出した。
幼なじみの天野くんはどうだろう。
天野くんとはしょっちゅうファミコンをして遊んだが、
ファミコンと同じくらいの頻度で図書館にも行ったのだ。
僕が谷崎潤一郎を読む横で、天野くんは谷川俊太郎の絵本を読む。
彼が十数年の時を経て、現在本好きになっていてもおかしくない。


加えて彼の小学生の頃のあだ名はアマゾンだ。
こんな偶然ってあるのだろうか。
天野風情が僕なんかに本をよこして生意気な、とも思うが、そこはビジネスの世界だ。
そして僕ももう大人だ。
何も言うまい。


次、機会があれば「お父さんのバックドロップ*1と「安全な遊び場と遊具*2を注文して様子を見てみる。
もし天野くんがAmazonだったらこんなわかりやすいサインを見逃すはずがない。

*1:小学生のころ僕は好奇心に負けて、誰もいない放課後の運動場で天野くんにバックドロップをした。しばらく地面に突き刺さったままの彼を見て、死んでしまったと思ったことがある。

*2:小学生のころ、天性の暗示のかかりやすさを誇る天野くんを洗脳し、放課後に総合遊具のジャンボすべり台から身投げをさせようとしたのが先生方にバレて問題になった。これを期に天野くんのお母さんから「坊主とは遊んではいけない令」を発令されたようで疎遠になった。翌年度の予算でジャンボすべり台には手すりが設けられた。